松田 卓也 Takuya Matsuda
1943年 大阪生まれ
1961年 大阪府立北野高校卒業
1961年 京都大学理学部入学
1965年 京都大学理学研究科物理学第二専攻修士課程入学
1967年 同博士課程進学 天体核物理学専攻
1970年 同修了 理学博士
1970年 京都大学工学部航空工学科助手
1973年 同助教授
1992年 神戸大学理学部地球惑星科学科教授
2006年 同定年退職 神戸大学名誉教授
その間、英国ウエールズ大学ユニバーシティカレッジ・カーディフ客員教授、国立天文台客員教授、日本天文学会理事長を歴任、現在はジャパン・スケプティックス会長
現職: NPO法人あいんしゅたいん副理事長、中之島科学研究所研究員
研究歴: 宇宙論、相対性理論、宇宙物理学、流体力学、コンピュータ・シミュレーション
趣味: プレゼンテーション理論、疑似科学批判、合気道
著書: 「相対論的宇宙論」、「2045年問題・・・コンピュータが人類を越えるとき」、「間違いだらけの物理学」
現在は日本からシンギュラリティを起こすために「シンギュラリティを語る会」を主催している。
基調講演:シンギュラリティがやってくる
人工知能が発達して、人間の知的能力をはるかに凌駕したものを超知能と呼ぶ。今まさに人類史上初めて、超知能が出現しようとしている。超知能が出現すると、科学技術の飛躍的発展が起きて、人類社会、文明に大きな影響を及ぼす。その時点をシンギュラリティ(技術的特異点)と呼んでいる。シンギュラリティ概念を喧伝する米国の未来学者レイ・カーツワイルはそれを2045年の頃としている。またカーツワイルは、人工知能の能力が一人の人間程度になる時期を2029年としている。私はこの時点をプレ・シンギュラリティ(前特異点)と呼びたい。特定目的の人工知能を狭い人工知能、人間並みの一応何でもこなせる人工知能を汎用人工知能と呼ぶ。現在は狭い人工知能しか存在しないが、それでも今後、技術的失業など人間社会に大きな影響を及ぼす。汎用人工知能が出現すると、その影響力は飛躍的に大きくなる。汎用人工知能実現に向けた努力が世界的に行われているが、日本でも最近、研究が始まった。超知能とは何か、超知能の政治・経済・技術・軍事的意味について論じる。特に日本での超知能作成へのロードマップを紹介したい。私の考えるプロジェクトでは、2045年どころか2020年代にも日本からシンギュラリティを起こせる可能性についての夢を語りたい。